「イーハトーヴ交響曲」花巻公演覚書2

花巻演奏会で一番不可解なことは、初音ミクを誰が演奏していたかということです。
昨年の世界初演ではキーボーディストの篠田元一さんが指揮者に合わせて発声キーを叩いたのですが、今回の一連(花巻~大阪)の演奏会には篠田さんのクレジットが有りません。
世界初演の成功は篠田さんの力がとても大きかったと思う私は、どうして彼が関わってないか不思議でした。
 
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この写真は演奏が終わって、指揮者とコンマスが握手をしているところです。
初演時では指揮者の眼前に座っていたキーボード奏者が、ここには居ません。
初音ミク関係は、舞台上ではフロア上手後方に二名が陣取っていました。
そのひとりがことぶき光さんです。
彼はまだ座っているようです。


冨田さんのフェイスブックによると、初音ミクを演奏したのは、ことぶき光さんのようです。
「今回ミクの重責を果たしたことぶきさん」
と写真にキャプションがついている。
 
初音ミクの発声はどのような仕組みだったのか。
私の席からは、初音ミクブースの様子は仔細には分からなかったが、キーボードが有るようには見えなかった。
有ったとしても、メインソリストといえる初音ミクは指揮者から遠い位置で演奏していたことになる。
勿論、彼女の登場場所は舞台最奥のスクリーン上なのだけど、それはまさに
かりそめの位置でしかない。
クラシックコンサートのプリマの正位置は、指揮者直近が定位位置と決まっている。
かりそめの姿はスクリーン上にあっても本体はたとえ見えなくても指揮者の傍にあると思うのだ。
 
初音ミクの発声は、初演とはちがうシステムになっていた可能性が在る。
初演はメロディーと歌詞の最小限まとまった部分に分けて、拍子の頭を指揮者に合わせていた。
今回は違うように感じた。
初演の、生の演奏に近似したテンポの取りかたではなく、
やや、自動演奏よりになっていたのではないか。
感謝祭のような、プログラミングされたミクの歌唱にミュージシャンが合わせるとこまでは行ってない。
それでは、冨田さんの狙いと伊藤社長の思いが退けられてしまうからだ。
 
第七楽章「岩手山の大鷲<種山ヶ原の牧歌>」では、
主旋律を少年少女合唱が歌い、対旋律をミクが歌う。
ここでミクは1/4拍子、出遅れてしまった。
機器の不具合か、演奏者のミスか。
 
初演のときは、ミスを絶対に許さないために、方式の異なるバックアップを3系統用意したと聞く。
が、
花巻ではことぶき光さん、寝てたんじゃないかな^^;


今日、9月1日は名古屋で午後3時から公演がある。
指揮の大友さんと初音ミクのクルーは同一だ。
 
どんな演奏になるのだろう。