夏目漱石:坊っちゃん異聞

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愛媛新聞に連載が始まった「坊っちゃん
今日3月3日で連載10回だ。
絵は、漱石が松山中学に赴任していた当時の教え子・桜井忠温
52年前に愛媛新聞の夕刊に連載された当時の絵なのだそうな。
 
掲載した絵は9回、校長から辞令を渡されるときのイラストである。
右側の人物は初見、何がなにやら分からなかった^^;
文章を読んでみて初めて校長、後の「たぬき」校長であった!
で、今気づいたのだが、左は坊っちゃんなんだよね。
背広なんだ。
書生のような袴姿じゃないんだ。
 
「この辞令は東京へ帰るとき丸めて海の中へ抛りこんでしまった」
 
小説「坊っちゃん」は、現在進行形の記述ではなく、
思い出の体裁をとった小説だった。

坊っちゃんがもらった辞令には、恭しく大きな印が捺されていたそうだが、
漱石の辞令には、ただの毛筆書きの辞令で、印など無かった。
ところが、
松山の次の赴任地熊本では、辞令書に大きな校長印があった。
 
松山は嘱託教員。
熊本は嘱託教授。
 
なぜ教員と教授の違いがあったのかは知らない、分からない。
漱石が内心へそを曲げたのが小説「坊っちゃん」に出たのかもしれない。