冨田勲 「惑星」 完全版

イメージ 1アマゾンに注文していたCDが届いた。
NHKFMの追悼番組を聞いていて、欲しくなった。
 
「惑星」は、木星土星の間に「イトカワはやぶさ」が新たに付け加えられている。
 
源氏物語幻想交響絵巻」は、先ずは初版が欲しかったが新品がアマゾンには無いので
いや、あるけれどメーカー在庫が無いようで、新品価格が高騰している。
なので、とりあえず完全版を手に入れた。こちらは京都弁によるナレーションが付いている。
イメージ 2初版はロンドン交響楽団の演奏なので、バタ臭い音がしているかもしれないが、とても興味がある。
先ず「源氏物語・・・」から聴き始めたが、2枚組み90分に及ぶ大作なので、1枚目途中まで聴いてみた。
これは、気合を入れて通しで聞かなくてはならないと思った。
冨田さん晩年の作品で、まだ初音ミクを知らない作品。
これが交響的作品の最後と思っていたかもしれない。
 

「惑星」には「このアルバムを糸川英夫氏に捧ぐ」という冨田さんのライナーノーツがある。
 
【前略】
 
私がオーストリアリンツ市のドナウ河畔で1984年の音楽祭「アルス・エレクトロニカ」の
オープニングコンサートとして「サウンドクラウド」を行ったときのプロデューサーから
「ドクター糸川に講演を依頼したくて連絡をとっているのだけれども、
東大に連絡をしても、『最近は心当たりが無い』とのことで、
ひょっとしたら冨田が知っているのではないか」
と手紙が来ました。
 
私の愚かさと、目先の忙しさにかまけて、
失礼ながら糸川先生とはしばらく連絡をとっていませんでした。
 
さっそく六本木の組織工学研究所へ電話したら
「この電話は現在使われておりません」と。
 
思い当たるところへ問い合わせたのだけれども、
すべて要領を得ず、
そこで貝谷八百子さん(その頃はすでに亡くなられていました)のご主人にうかがったところ
「私も最近は連絡をとっていなくて・・・、でも心当たりを探してみます」と。
私には信州の奥深いところという印象のある信濃大町に研究所を移されたとか。
 
さっそく電話をしたのですが、
呼び出してはいるのだけれども誰も出ず、
たまに留守電になっているので用件を入れても返事が来ない。
 
しつこくダイヤルをしていたら、ある日若い男性の声が出たので、
「こちらはこういうものですが、糸川先生とお話がしたいのですが」
「・・・いまお話しができる状態にありません」
「ということはどこかお悪いのですか?」
「・・・・・・えー、まー」
「もし入院なさっているのでしたらその病院を教えていただけますか?」
「・・・・・・」
 
【中略】
 
 
このアルバムを、糸川博士を偲び、捧げたいと思います。
2011年 冨田勲
イメージ 3
 

ウィキペディアによると、糸川さんは1999年2月21日に
長野県丸子町で亡くなったという。
享年86歳
 
    1977年 「惑星」バレエ上演  
       1984年 リンツサウンドクラウド
1999年 糸川氏 逝去
 
             2003年 惑星探査機「はやぶさ」打ち上げ
              2003年 小惑星25143 「イトカワ」と命名
   2010年 はやぶさ 帰還
   2011年 「惑星」完全版
          2012年 「イーハトーヴ交響曲」上演
           2016年 「ドクター・コッペリウス」上演