冬の気配を シベリウスを聴く

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四つの伝説曲(Neljä legendaa)の一曲
 
空気の振動のような密かなグランカッサの連打から始まる
ほの暗い空気の中を一羽の白鳥が水面を滑る
一鳴きを発して死の帳に消えていく
 
 
交響詩「レミンカイネンの帰郷」
 
四つの伝説曲(Neljä legendaa)の一曲
 
トゥオネラの白鳥を狩り損ねたレミンカイネンはその五体を引き裂かれて死ぬ
母は熊手で死体をかき集め
膏薬と呪文で蘇生させる
 
トゥオネラを発つ最初の一鞭が第一音の強奏で示される
 
森の中を
 
草原を
 
駆けていく、駆けていく、駆けていく、駆けていく、駆けていく、駆けていく、駆けていく、駆けていく
 
駆けていく
 
やがて故郷の村が見える丘に達した
そして一気にスロープを下っていく
 
パーボ・ベルグルンド 指揮
 
 
【余談】
ベルグルンドは惜しいことに少し風采が上がらない
しかし、その音楽は
気品があり洗練されているが過度に都会的にならず
熱い情熱が所々顔を出す
 
 
「レミンカイネンの帰郷」の終結
弦楽部の総奏
金管の咆哮
ピッコロの電光
 
過酷な音溝にカートリッジスタイラスは翻弄される
SPU 針圧5gでも無理だ
盤面も傷んで来たし・・・
CDではつまらないし