B787 バッテリー不具合で思うこと 1

B787 バッテリー不具合で思うこと


ご存知のとおり16日午前、ボーイング787がバッテリートラブルで緊急着陸しました。
機体から取り出したバッテリーは内部が炭化していて重量もかなり軽くなっていたようです。
電解液が漏れ出たのですね。
バッテリーのメーカーはどこなのか知りたかったのですが、なかなか報道されませんでした。
仕方ないのでネット検索するとロイターがGSユアサ製であることを報じていました。
NHKは深夜午前1時のラジオでGSユアサを報じました。
民放はどうだったのでしょうね?
重要広告主だから報道を控えたのかな?


読売の社説では、15日付だが、米国空港での787バッテリートラブルを書きながら
炭素繊維主翼や胴体、タイヤなど787に使われている部品の多くが日本製だ。
製造に関わった日本企業と当局が連携し、問題を早期に解決してもらいたい。」
と書いている。
バッテリーが日本製ということから目を逸らす理由を訊いてみたいものだ。
単に知らなかっただけかもね^^;


GSユアサはバッテリーをボーイングに納入していると思ったら、違うのですね。
フランスの電装メーカーに納品しているらしい。
例え、バッテリーが火を噴いたからといってバッテリーに原因があるとは限らない。
充電システム、放電システムに原因があるかもしれない。
どれともいえないのです、今は。
フランスの電装メーカーはなんと言っているのだろうか?


先ほどNHKラジオを聴いていたら解説員がリチウムバッテリーは充放電が難しいといっていた。
????
放電が難しいはずは無いので、充電が難しいのだと思うが、その充電システムはどこが、
どのメーカーが構築するのだろう?
GSユアサは充電システム込みで納入しているのだろうか?
GSユアサは虚心坦懐、率直に技術的問題点を記者会見を開いて開陳すべきではないか。


ここでラジオニュース。
燃料漏れも他機で起きているが、燃料バルブの制御システムはイギリスのメーカーなのだそうな
電気制御システムはメーカー(国)によって哲学がことなっていて、
まさかと思うシステムになっていたりする。
例えば最近の車は電気製品に成り下がっていているのだが、
ヨーロッパ製の車の電気系統はボッシュ製が多い。
ボッシュのABSシステムは、電気系が故障するとブレーキが効かなくなる製品がある。
信じられないけど。


リチウムバッテリーはパソコン電源でいろいろ痛い目にあって改良は進んでいる。
だから信頼性の向上があって飛行機の電源として採用された。
見落としがあるとすれば、飛行機独特の使用環境による可能性があるとおもう。
飛行ごとの気圧変化と温度変化である。
たぶん対応済みだと思うがどうかな?


B787は軽量化のために電気制御を大幅に取り入れたと言っている。
昔は舵を切るのには、操縦桿からワイヤーを引っ張って舵を動かしていた。
これを油圧に変換したり電気にしたりした。
クルマのパワーステアリングと同じである。
人間の筋力を機械の動力に変換して楽になったのだけど、
機械の動力源はクルマならエンジンである。
飛行機も同じで動力源はエンジンである。


B787は舵を切る動力をバッテリーから得ているという。
従来はエンジンの作り出す油圧なり空圧を使ったのだが、
それが無くなったので、エンジンは推力に専念出来て効率が上がり
燃費が良くなったというが、本当だろうか?
飛行一回分の電力をバッテリーで賄うのだろうか?
もし、そうであるなら私は787には乗りたくない^^;
たぶん違うので、話を続けます!


バッテリーは逐一充電されているはずで、それはバッテリーの特性に合わせてあるはずだ。
ニッカドバッテリーはクルマのバッテリーのように絶えず充電状態にあると劣化が早い。
リチウムバッテリーは常時充電が可能だったと思うが、使い切ったあとで充電するほうが良かっ
たかな?
まあ、そのようにバッテリーの特性に合わせた充放電システムを組み込んでいるはずだが、
バッテリーを充電するための電源は発電機である。
その発電機は何で駆動するのだろう。
従来は飛行用のエンジンから動力を取り出して発電機を駆動していた。
787は違うのか?


以上、18日までの報道にて筆を置く。
以下、19日^^;


NHKTV18日最終ニュース解説で従来機と787の違いを説明していたが、
解説図が間違っていた。
機体制御の図であったが、787の機体姿勢制御の図が、
操縦桿からワイヤーロープを引き回して舵を切る構造であった^^; 
従来機の図が、電子機器(電線)をつないで制御する図であった。
番組中に訂正は入らなかった。来週月曜日に訂正するのかな?
しかし、今どきワイヤーロープで舵を切る飛行機なんてありませんよ。
グライダーくらいじゃなかろうか。


今の飛行機はフライバイワイヤ(ワイヤは電線のこと)と言って、操縦桿の動きを一旦電気信号
に変えて、油圧や電力で舵を切っている。
その油圧や電力はエンジンで駆動される油圧ポンプや発電機で得ている。
787の経済性は、従来エンジンが受け持っていた油圧、空圧、発電をバッテリーによる電気シ
ステムに替えることによって、エンジンを推進力のみに特化させて達成したといわれている。
本当かなと思う。
機体軽量化は、ここでは論議しません。


上で書いたように、一回の飛行で消費される電力を全てバッテリーの容量で賄う筈は無い。
バッテリーの充放電特性に合わせた充電システムを搭載しているはずだ。
つまり、必ず充電用の発電機を搭載しているはずなので、飛行用のエンジンから動力をもらわな
いのであれば、発電用の何かを搭載している。
それは内燃機関か外燃機関か、はたまたソーラーバッテリーか!!??
地上駐機中でエンジンを停止している時は、
諸々の電力や油圧のために補助動力装置APUを稼動させている。
787では、このAPUを「補助」動力装置から格上げして運行用発電システムとしているらしい。

ウィキペディアではそう書いてある。
「全てが電動化されている航空機であるボーイング787では、APU は電力だけを供給している。空
気圧系統が無いのでシンプルな設計になるが、何百kWもの電力が求められるため、大きく重い発
電機と独特なシステム要件が必要とされる」


この787の電気制御システムはフランスのタレス社が請け負っているそうで、
GSユアサはバッテリーをタレス社に納入しているのである。
ちなみに「タレス」とは「ターレスの定理」のターレスのことだそうな。


話を戻して、電力用に発電機を回すエンジン(ガスタービンでしょう)を積んでいて、
その燃料も積んでいる。まあ、飛行用の燃料と一緒でしょうけどね。
ここで疑問なんですが。わざわざ発電用のガスタービンを搭載するほうが、

従来の飛行用エンジンから分けてもらうより効率がいいのでしょうか?


飛行用のメインエンジンは巡航速度のときに最も効率がいいように設計される。
これに上乗せする飛行制御エネルギーを加えて設計してもいいような気がする。
巡航時は飛行制御エネルギーもほぼ一定だから、
離着陸などの変動分は全体からして大きく無いと思うが如何か。

例えば、787の室内与圧は電気モーターで圧縮機を回しているのだが、APU発電機で電気を起こ
してその電気でモーターを回して圧縮機を回す方が、効率がいい・・・・のだろうか?
まあ、いいのでしょうね、実際そうしているのだから^^;


メインエンジンのような大型機関からエネルギーを少し分けてもらうのと、
小型機関を専用に設けるのと、どちらがいいのか?
新聞記者もNHK解説員もこのあたりの疑問は一切起こらないようだ。
頭がいいのね^^)
ホントは、渡された資料を丸呑みしているだけじゃないのか。


さて、
バッテリーが黒焦げになったからといって、
即バッテリーが悪いというのはとんでもない思考回路というしかない。
今日になってようやくシステムに目が向いてきたようだ。
 
最新機なのに故障か、などという新機種最高神話に基づくコメントはいらない。
もはや初期故障とはいえない、などという従来システム前提の発言はいただけない。


原因を突き止め、明解に説明してもらいたい。