B787 バッテリー不具合で思うこと 9

「月刊エアライン」 3月号を買ってきた。
表紙に
「緊急特集 最新鋭機B787に何が起きたか? 連続トラブルと運行停止措置の真相」
とあったからだ。もうひとつ
「退役記念チャーターフライトに密着! さようならMD-90」

MD-90はDC-10,11とともに好きな機体だ。


家に帰って件のページを開くと、たった4ページの記事だった^^;
本記事は1月21日までの情報を基にしたもので
執筆は飛田翔氏(ペンネームのような名前だ)
 
787について私の知りたいのは、
1.経済性、つまり高燃費性能はどうやって達成されたか。
2.電気系統はどのメーカーがどのようにかかわっているのか。
等であったが、少しは解ってきた。


記事では「787は電気飛行機」という言い方をしている。
従来機は運用動力にエンジンから抽出した加圧過熱空気や油圧、電気を使う。
787は運用動力はエンジンで発電機を回して電力を発生させ、
操縦機構(操舵、ブレーキなどのメカニズムや電脳・電気計器類)の駆動、照明、空調、防氷を行う。
エンジンナセルの防氷のみエンジンの加熱空気を使う。
 
発電機はエンジン一機に二台取り付けられている。
双発機だから発電機は合計四台である。
発電機出力は一台で230KVA
4台合計920KVA
 
発電機は発動機の役割を持つ。
エンジン始動スターターとして使われる。


機体前部(ANA機で不具合)と機体後部(JAL機で不具合)のバッテリーは同一である。
機体前部のバッテリーは発電機が故障したときのバックアップ用。
機体後部のバッテリーはAPU用。
バッテリーの能力、仕様は
容量 50AH
電圧 28V
重量 27kg
 
航空機用電池はニッケルカドミウム電池が使われてきたが、メモリー効果が問題だった。
リチウムイオンバッテリーにはメモリー効果が無い。
小型軽量大容量
ただし、熱暴走が発生すると小型爆弾並みの爆発破壊力がある。
過充電過放電にならないよう、二重三重の安全策が講じられる。


記事の内容は概ね論理が通っていて腑に落ちる文章だった。
 
エンジンを推進力と発電に特化して高燃費化したと書いているが、
エネルギー多重変換のロスについて語れないのは限界か。
 
「当初は電池個体のトラブルと思われたが、787バッテリーシステム設計そのものが問われるとは
ボーイング社も想像だにしなかったに違いない」
 
と書いているが、それは貴方がそう思っただけだろうといいたい。
調査委員会もそう思っていたらしいのは、報道から感じられる。


解決には最速で一年はかかると思ったほうがよさそうだ。