メンテナンスの時代
先般、左の「ステレオ時代 Vl.2」を本屋で買った。
近頃、オーディオ誌で読める本が無いので、仕方なくというか(^^;)、ひとつは「ルミエール」の記事があったこと。ルミエールの主宰者は以前「フィガロ」を運営していたこと、ルミエールの形はいいのだけれど、宣伝口上に反発心を覚えること、主宰者の顔写真があったことで、買う気になったのである。
もうひとつは798アンプの盛衰記が面白かったことだった。
この雑誌は、新製品は放りっ放しにしておいて、過去の一般人の手に届いていた製品を時代と主に振り返るスタンスが面白い。
Vl.1は店頭で見たが、誤り記事が酷いので買うのをやめた。
でも、Vl.2を自宅で読んでみると1もほしくなってアマゾンで取り寄せた。
メイン記事はNECのA-10である。
家にはTYPEⅢがあるので、それなりに面白かった。
誤り記事というのはインサイドフォースの記述で、あろうことか
「インサイドフォースは、レコードの回転による遠心力」
と書いてある。
すぐに廃刊になった「オーディオベーシック」の後継雑誌には、MC型はMM型よりムービングマスが小さいので云々とあって驚いたが、その比ではなかった。
ところがVl.2の編集後記には訂正記事があって、インサイドフォースの説明には多くの読者から指摘があったと書いてあった。
ヤフーニュースを見ていると、
SONYのアイボのメンテナンス期間が終了し、
多くのユーザーが途方にくれているという記事にたどり着いた。
そして、ソニーの退職した技術者たちが新しいメンテナンス会社を作ったという。
株式会社ア・ファン~匠工房~
ここを見ると、全国展開する技術者という紹介があって、
8名のスペシャリストのうち
3名がなんと愛媛県。
修理事例にはなぜかマッキントッシュのC-22があったりして
訳が分からない^^)。
しかし、「ステレオ時代」もAIBOの記事も、
古いものを長く使うためのインフラ整備と申しますか、
未完成の新製品を使い捨てする時代から、
徐々に、落ち着いてよい出来の製品を長く使おうという
新しい時代の流れをいち早く確かなものにしようという、
新しい商売の形を確かなものにしたいという願いを
そこはかとなく感じるのである。
古くても確かなものが、安く手に入るいい時代は遠のいていくかもしれない。
信じられない高騰を見せ付ける製品もある。