Happy Birthday / Hatsune Miku

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初音ミク」が発売された一年後に
クリプトンフューチャーメディアの伊藤博之氏と佐々木渉氏が
あるサイトに寄せたコメントがあった。
 
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Vocaloidism
 
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こんばんは、クリプトンの伊藤です。こちらに書き込むのは、昨年の年末以来です。すっかりご無沙汰している無礼をお許しください。
さて、皆様ご存知と思いますが、明日8月31日は、弊社が1年前に「初音ミク」をリリースした日です。1年前の今日時点のネットでは、「初音ミク」に関する作品は公式を除くと、まだ『何もありません』でした。また、弊社内の誰も(恐らくネットの誰もが)、これから起こるどんな事も、『予想していません』でした。それが1年前の今日です。
それから1年、次々と巻き起こる『協創の連鎖』は、様々な分野のクリエイターや技術者の創造力を刺激しつつ、単なる音楽ソフトの枠をはるかに超えて、多方面に拡がってきました。そして、その一片のきっかけを創り出してくれたのは、優れた音楽作品という形で「初音ミク」を世に投げかけてくれた、DTMユーザーの皆様に他なりません。この場を借りまして、弊社を代表して深い感謝と敬意を表したいと思います。この1年間、本当にありがとうございます! ・・・そして次の1年も変わらぬご愛顧を、どうぞ宜しくお願いいたします。
弊社では引き続き、クリエイターの皆様に必要とされる製品やサービスの向上に努めて参りたいと考えておりますが、それだけに留まらず、例えば著作権やコンテンツ流通の分野など、クリエイターの皆様に有益な仕組み作りにも貢献できればと考えております。「メタ・クリエイター」(クリエイターのためのクリエイターの意)として、皆様のお役に立てるよう、誠心誠意努めて参りますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。 (伊藤博之
 
こんばんは、クリプトン、VOCALOID担当のwatとこ佐々木渉です。
この1年間。『初音ミク』という存在(キャラクター&歌唱音源)は、皆様と一緒に沢山の経験をさせて頂きました。まずは、初音ミクに興味を持ってくださったクリエイターの方々、初音ミクファンの皆様、ヤマハ(株) サウンドテクノロジー開発センターの担当者の皆様に心の底から感謝、申し上げます。本当に本当に有難う御座います。
皆様と、現代の偶然/要因が作り上げた”初音ミク”の本質。
それは深く、多彩である事は紛れも無い事実であり、未だに底知れぬムードを漂わせていると思います(もしそうでなくとも、私は信じて最後まで考え行動します)。少し過剰な表現かもしれませんが、この1年間とめどなく繰り返されたミクの居る風景から、『女性の声(歌)が響き、人が想い馳せる』という、果てしない太古の昔~いつか訪れるであろう最後の時まで、人間が執念する”真に懐かしい事象”の奥深さを感じざる負えませんでした。小さな、一つの生き物である・・・自分にとって・・・とても良いショックでした。
この全ては、初音ミクに内在していたキャラクター性と音声合成技術の可能性をとおして、創作物にチャレンジしてくださいました、多くのクリエイター様のお力によるものです。クリエイティビティ・・・センス、アイディア、ユーモア~人柄までが、初音ミクをとおして、時に輝かしく、時に情感たっぷりに煌き、多くの人の心を動かした事。それを体感/共有できたのが一番大きな真実だったと思います。
最後に今後の展開ですが、CV01 / CV02と比べて大きなサウンドデータから成る、CV03を構築中です。CV01/02と異なる点もあり、特に可愛らしい要素と離れている事から、受ける印象も違うでしょう(CV01をガンダムに例えるなら、03はサイコガンダムといった所でしょうか…意味不明でスイマセン)。
最終的に03が、今のVOCALOIDコミュニティにとってどういう存在に収まるかは未知ですが、それに関わらず今私は””新しい切り口や可能性、それを多くの人に、出来るだけフラットに試して頂ける状況””を作るべく努力したいと思います。CV03を含む、幾つかの有意義なプロジェクトの完成をして、その内容を、また、ここでお伝えしたいと思います。それがクリエイター様にとって有意義なものとなれますよう。。。単なる偶然ではなく、そこに近づけるように、どうかこれからも勉強させてください。 (佐々木渉