冨田勲 NHKラジオ深夜便 イーハトーヴ交響曲
一日目の様子
二日目の様子
9月2日(木)と3日(金)『ラジオ深夜便』午前4時台のインタビュー・スペシャル枠内で"音の魅力を追い求めて"と題し、作曲家・冨田勲さんのインタビューを2回にわたってお送りしました。しかし、午前4時台ということもあり、お聴きになれなかった方も多くいらしたのではないでしょうか? そこで『ラジオ深夜便』番組ホームページでは、10月11日(月・祝)までの期間限定で、パソコン上で聴けるストリーミングサービスを開始しました! 冨田さんが大陸で過ごした少年時代の話や、初めて聞いたシンセサイザーの衝撃とシンセサイザーをアメリカから個人輸入した際、1か月も税関に留め置かれていたという逸話、また、半世紀以上も愛され続けている「きょうの料理」のテーマ曲制作秘話など楽しいお話と共に、「新日本紀行」や大河ドラマ「勝海舟」などの懐かしいテーマ曲も一部お聴きいただけます。どうぞお楽しみください!
放送日は、2010年。
二日目の最後に「イーハトーヴ交響曲」を構想していることを語っている。
あと10年と言っているが、2011年3月11日に東日本大震災が起きる。
これが作曲を急がせることになり、
作品を構成する最後のピースを得て、作品が完成。
以下、放送の最後の部分をテキストにした。
◇◇◇◇
徳田:これから後は、構想といいますか・・・
冨田:そうですね、
徳田:次は、
冨田:あのう、一番最初にやりました、シンセサイザーのアルバ
ム、これを、やはり今の、そのうデジタル技術でサラウンドのも
っと完璧な形にしたいと思っています。
あ それとやはりあのう、源氏が、そのオーケストラを主体で、
あ それとやはりあのう、源氏が、そのオーケストラを主体で、
その源氏物語、幻想交響絵巻ですけれどもね、これのほうもあの
う、まあ、近々、サラウンドのレコードとして出すつもりです。
それと、やはり~~、宮沢賢治のあの不思議な世界。これはねえ
、源氏物語も何が何処でどうしたっていうような描き方をシンフ
ォニーの中でしてないんです。これはシエラザードと同じで、ま
あ、あのう、特にシエラザードは、これは何処でどうしたって、
その~、タイトルは入っていませんけど、聴けばアラビアンナイ
トの話しだってことは分かりますよねえ。それと同じように、源
氏のほうはやや具体的にはなってるんですけれども、宮沢賢治の
世界はですねえあのイーハトーヴの、なにかそういう形のセロ弾
きゴーシュだとか、
徳田:銀河鉄道とか
冨田:ええ、それから雨ニモマケズですねえ、あのへんを交えた
合唱入りのシンフォニーを書いて見たいなと思うんですが、、、
まあ、あそこを書くっていうのは大変な作業なんで、え~~出来
るかどうかなんですがネエ。
徳田:その時も源氏物語のようにオーケストラとそれからシンセ
サイザーではなければ出来ない音を融合して、あのう、イーハト
ーヴの世界を、サラウンドで作るという・・。
冨田:そうですねぇ。今、そのこれからやりたいことのひとつと
してそれがあるんですが、そうすと九十歳ぐらいになっちゃうな
あ。あと・・。
徳田:あと十年。あと少し。大丈夫です。
冨田:大丈夫ですか。
徳田:大丈夫だと思います。またすばらしい、あの音響、音イコ
ール、音楽イコール音響っておっしゃったけれども、その素晴ら
しい音の響きを聞かせていただきたいと思います。
どうも二日間、ありがとうございました。
どうも二日間、ありがとうございました。
冨田:ありがとうございました。
◇◇◇◇