TOMITA ▽DR.COPPELIUS▽
冨田勲「ドクター・コッペリウス」が届いた。
40ページもの解説冊子が付いていた。
前島秀国の解説によると、この作品のテーマは、
重力の柵(しがらみ)を乗り越えようとする人間の情熱
ということらしい。
バイクを愛好する冨田は、70歳でバイクを下りた。
乗り納めツーリングは、ペルーのナスカ地上絵だった。
バイクは重力の柵の中にある乗り物だ。
冨田はナスカで宇宙へ飛翔したのではないかと前島は言う。
私もバイク乗りなので、その魅力は重力の柵の中で走る快感にあると思っている。
バレエも重力の柵の中にある芸術である。
そのバレエを、重力から解き放たれた初音ミクが舞う。
グラビティ・ポケットの存在であるミク。
重力の柵を感じさせない跳躍が魅力のバレエを、
もともと無関係のミクが舞うと言う韜晦。
永遠の未解決問題を抱えて冨田さんは逝った。