映画「羊と鋼の森」
ネットニュースに三浦友和が記事になっていた。
最近封切りの映画で、ピアノ調律士の役だという!!
三浦の若い頃の映画は知らない。
最近の「オールウェイズ・三丁目の夕陽」で医者役で出ていたのが初めてのスクリーンでの対面だった。
誰か分からなかった^^;)。
今回は、伝説の調律士役らしい。
ピアノに嵌っている私は、見ないわけにはいかない。
物語は、若い調律士の成長である。
三浦はその若者にインスピレーションを与える役回り。
映画は、あまり説明をしない展開。
ピアノの演奏風景を如何表現するかが見所だと思う。
そして、ピアニストのピアノに対する感覚を、我々素人が共有できるかどうかが問題だと思った。
これはなかなか難しい。
本物のピアニストと調律士が納得するフィルムになっているかが大問題だ。
監督、役者には相当なプレッシャーが掛かっただろう。
ピアニストは五人出てくる。
プロを目指す高校生姉妹。
中年前のジャズ(?)ミュージシャン。
外国人クラシックピアニスト。
両親と愛犬を失った青年。
ピアニストは自分の目指す音を調律士に要求するのだけど、
両親と愛犬を失った青年は何も言わなかった。
その青年が調律を終わったピアノを弾くシーンが、一番良かった。
音楽が立ち上がってきた感じがしたのだ。
高校生姉妹は、実際にも姉妹らしい。
似ているようで似ていない絶妙のキャスティング。
二人は意外な展開を見せる。
観客にもプレッシャーがある。
ピアニストの芸術的発言や、それに応える調律士が作る音が分かるかどうか。
演奏に芸術を感じられるかどうか。
いや、そういう演技というか、実際の音を音楽を評価できるか。
感じられるか。
分かったふりをしてないか^^;)。
邦画のいいところが出ていた作品だった。
エンディング・テーマは久石譲が作曲し、辻井伸行がピアノを演奏したというのが、
この映画の売りの一つだった。
しかし、
歴史的作曲家のメロディーとそれなりの出演者の弾きだす音楽には、
とうてい敵わなかった。
題名の「羊と鋼の森」というのは、ピアノのハンマーは羊毛で出来たフェルトが貼られていて、
それで鋼鉄の弦を打つというところから来たらしい。
そのピアノの音に森の風景を感じるのが主人公。
私は羊と鋼と聞いて、アンマッチ、水と油を感じる。
なんかちがう。
鋼といえば「鋼の錬金術師」だしねえ・・・。
映画の中で一番美しい画面は、森の中から見上げる青い空と輝く広葉樹だった。