奥井紫麻 ピアノリサイタル いずみホール

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大阪のいずみホールで奥井紫麻さんのピアノリサイタルが有るので聴きにいった。

予算を切り詰めるために、伊予鉄高速バスを使い、川内インター~三宮往復として、行きは舞子で下車し、JR快速で大阪まで、そして、環状線大阪城公園で下りることにした。

川内インターの高速バス専用駐車場が満杯だったらやばいことになるのだが、事前に混み具合を調査した結果、満杯はほぼ無いであろうとの予測が立ち、午前7時半過ぎに家を出た。
雨上がりの県道を走って、無事駐車出来た。
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大阪城公園には午後1時過ぎに到着。
外国人観光客が、石のベンチに座って昼食を摂っている傍で、私も前日にスーパーで買って来たサンドイッチを頬張ったのである。
都会で何も考えずに飯を食うと、年金生活者の二日分の食費が一度の食事に飛んでしまう。

実は、バスに乗っている間、腹痛がしてやばいなあと思っていたが、明石海峡大橋あたりで静まっていたので助かった。


イメージ 3大阪城は、中学生の修学旅行で来たように思うが、風景の記憶は無い。
先般のG20の時は、どんな様子だったのだろう?

大阪城ホールでは、何か催しが有るらしく、数100mの列が川沿いまで延びていた。







イメージ 42時半前にホール前広場に到着。

並んでいた列が、動き始めたところだった。










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チケットをもぎってもらってホワイエに入る。
クロークに荷物を預けようか迷ったが、持って入場することにした。
下手、前側の入り口から一旦入って会場を見渡したあと、トイレで用を足して、右側後方の入り口から会場に入った。








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座席はL-4である。
チケットピアで、ここしか無かったのである。
座ってみると、ステージフロアが見えるし、打鍵やペダリングも見える良い座席だった。

演奏前は、照明は全開だったが、奥井さんの登場前に客席照明とシャンデリアの前側二基が消されて、ステージとパイプオルガンに照明が点いた。

開演の予鈴は、パイプオルガンのようでもあり、PAからの音でも有るような、判別がつかない音が流れた。

奥井さんが登場した。
衣装は川崎、広島と同じと思われるが、照明の関係で色合いがよく分からなかった。
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座席からのショット。

ピアノはスタインウェイのフルコンのはずだが、奥井さんが現れると、何故か小さめに見えた。
この角度で見るのは、宇和島以来になるけど、奥井さんはあの時より一年が経ち体格が大きくなったのだ。

最初の曲は、バッハのイタリア協奏曲。
鍵盤を拭いて、肩に掛かったロングヘアを背中に回して、手をひざに置いて集中。

すんなりと音が出て、ホールに広がっていく。
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イタリア協奏曲を生で、それもピアノで聴くのは初めてである。
ハープシコードのLP再生音でしか聴いたことがない。
ピアノで弾く時は、ペダルを余り使えないと聞いたことがあるが、奥井さんの演奏は、繊細なペダリングを施しているように聞こえた。

いずみホールは、最初の一音から音が響いて、音楽専用ホールとはこういうものかと思った。
広さもほどほどで、ピアノ演奏にぴったりかもしれない。
フランス組曲を聴いてみたいと思った。

奥井さんはここで一旦退場。
バッハは、ウォーミングアップだったかもしれない。

再登場してショパンを三曲。
二曲目の子守唄の時、二列前に座っていた幼稚園か小学生の女の子が、ピアノの手まねを始めた。良く見ると、それは楽譜通りに見えた!!
暫くそれは続いたが、左となりの母親らしき女性が制したのだった。
私は終わりまで見たかった^^;)。

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スクリャービンの2つの詩曲作品32を弾き終わったと思ったが、客席から拍手は起きなかった。

奥井さんは、鍵盤を布で拭いたあと、ワルツ変イ長調作品38を弾き始めた。

最後の音がホールに響いて消えた後、拍手が起きた。

これは、そういう慣例かもしれない。
良く分からない。

これで一旦休憩になった。

後半、ショパンの24の前奏曲宇和島で聞いた。
ただし、宇和島では12番まで。

今回、24曲全曲を聞いて、聞き覚えのあるメロディーが有ることを知った。
2番イ短調は、発表当時“絶望的でグロテスクな不協和音”が人々を戸惑わせたと解説に書いてあったが、確かに不協和音とは聞こえたが、グロテスクかどうかは分からない。私の感性がそうなのか、はたまた奥井さんの演奏がそうなのか・・・。不協和音なりに耳に馴染んだというか・・・・、よくわからないなあ^^;)。


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情熱的で重厚な左手の和音が響き渡った、と思ったら最後の24番ニ短調だった!

やっぱり、奥井さんの演奏は短く感じる。

なんども拍手に呼び出される奥井さんの表情を、このときばかりはとニコン・ミクロンで見た。

充実した微笑を見て、今日の演奏は会心の出来だったのだろうと思った。



会場を出て、広場で催しが終わる様子を眺めた。
建物の広場に面して東の方に、楽屋入り口だったか、関係者専用の通用口があった。
そこに、音楽関係者らしい中年前の男と、サラリーマン風情の男性が、時間つぶしのように居た。
もしかして、出待ちなのか・・・・・??
私は、それを遠くから見守った。
五時に知人と京橋で会う約束なので、4時半まで待ってみることにした。
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すると、もうそろそろと思う頃、三人の女性が現れて、件の二人の男が近づいて、なんと、写真まで撮り始めたではないか!もちろん、三人の女性の一人は奥井さんだった。
光沢のあるブルーのワンピースだった。

このときを逃しては!!と、近づいて「宇和島で少しお話しさせていただいたものです。今日の演奏はよかったです。がんばってください」と分けの分からないことを言って見送ったのだった。
ヘンな人、と思われたかもしれないなあ。
ホテル・ニューオータニに宿泊しているらしい。
去り行く後姿を一枚撮ったのだった。

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大阪城京橋プロムナードに向かって歩いていると、先ほどの男性が同じ方向に歩いている。
「マスコミ関係の方ですか」
と聞いてみると
「違います」
ということだった。


JR京橋で知人と合流。
先般、といっても大分前になるが、オリックス劇場イーハトーヴ交響曲を聴いたあと、一緒に京橋で晩飯をしたのだが、店はどこだったか、すっかり忘れてしまっていた。

適当に居酒屋に入って、今日のことやオーディオ談義をしたのだった。

明日は、日本橋のアサヒステレオセンターに行くということにして、分かれた。

ホテルはいつもの西中島南方のビジネスホテル。
無事チェックイン。