大正ロマン館

イメージ 15月12日まで開催の「大正人の悩み相談展」を見に行った。
 
駐車場には数台のクルマが停めてあり、珍しいことだなぁと思いながら入り口に近づくと、大き目の音で音楽(クラシック)が聞こえてきた!?
 
中央ホールに椅子が並べられて、ピアノと弦楽の演奏が行われていた!
 
なんと、明日はコンサートで、リハーサルの最中だった。
 
午後二時開演とかで、あっちゃ~~~、天文の会合とバッティング!
 
ロマン館のHPには何ら告知が無くて、・・・・・、知らんかった。
 
というわけで、リハーサルを聞きながらの華宵鑑賞ということになった^^;
 
 


「大正の悩み相談展」というのは、当時の雑誌に掲載された読者からのQ&Aを
パネルにして展示しているものであった。
パネルの間間に、雑誌の挿絵を展示している。
Q&A それ用の挿絵ではない。
 
婦人雑誌のQ&Aは、ファッション、家庭問題、恋愛問題、経済問題、人生問題など多彩である。
時間が有れば、一々読んでみると面白そうだった。
 
以下、追って加筆^^;
日記にならないってか?

「身の上相談の回答」東京府立第一高等女学校長 市川源三
「婦人世界」昭和二年三月号
家から外に社会に出て働いてみたいと若人の願ひ
 

私は大連の町立高女の卒業生ですが、いま少し勉強したいと思ひます。
御地で昼間は会社の事務員でもつとめて、夜間に夜学へでも通って勉強したいと思ひます。
何処か適当な口はないでせうか。
的(あて)なしに知人の無い土地に一人で出掛けるのも、生活に困る恐れがあらうと存じまして、予めお願ひするので御座います。云々(大森トミカ
 
以下、追って加筆^^;


我が国の人口は殖える一方ですから、生活難は日一日と深刻になって参ります。
これが一つの理由。
昨年来不景気風が吹き荒むので、いつもなら家庭に安んじてもの迄、出て働くやうになりました。
これが二つの理由。
婦人の解放、婦人の経済的独立が頻りに叫ばれますので、今まで家庭に小さくなっていたもの
まで、大手を振って会社に出かけるやうになりました。
これが三つの理由。
以上の三つの理由によって、この頃の婦人、殊に高等女学校を出た若い人達の職業を求める声
が津々浦々に満ちて参りました。
これは喜ばしい現象だといふものがあります。
又悲しむべき現象だといふものがあります。
併しすべては時勢に力だから、喜ぶ喜ばないに係らず、ぐんぐんさうなって参るのであります。
どうにも致方はありません。
只私共は時勢に乗じて最も賢く此の世を渡っていくより外は無いのであります。
それには用意周到といふものが最も肝要です。
大森さんの希望は結局無効でせう。
昼間働いて夜学に通って、苦学して成功するといふことは望むべきことではありません。
東京在住のものでしたら、必ずしもさうは申されませんが、地方出身の方では無理と申す外は
ありません。
流石に女学校出の大森さん、的なしに上京してもと用心したのは感心です。
どうかこんな希望は思ひ止まって、其の地方で向上する他の方法を案出なさい。
その方はよっぽど賢いと思ひます。

なかなか今日に通ずることでもありませう^^。
 
次は
少年少女たちの悩み
「日本少年」大正14年7月号より


十五歳の少年 本年高等小学校卒
父は商人になれと言いますが、私は文学をやりたいです。
独学でなれますか。
 

文学と云っても、創作をやるのか何か不明だが、人としての完成をするには
中学から専門学校程度の教養がいります。
父上のすすめ通り商人になって、多くの体験をつみ、
それを創作として発表する事もよいではありませんか。
 
 

中学へ入りたいが、家が貧しくて入れません。
中学でも師範でも先ずこれなら大丈夫といふ本の発行所か講義録を教へて下さい。
 

高師の付属中学か、府立中学かの教科書なら標準になりますが、注釈がないと分からぬから、
国民中学会か早稲田かの中学講義をお読みなさい。
貧しくても向学心に燃える少年たちに
胸が熱くなる。
午後五時を回ったので帰ろうとしたら館長さんが話しかけてきた。
リハーサルは続行中。
「どうもすみませんでした。でも音楽が聴けてよかったのでは^^」
「まったくです、得しちゃった^^、
でも、コンサートの告知はされたのですか?
ホームページには掲示されてなかったですよ!」
 
てなことをやりとりしなが
「どうぞ、座席にお座りになって聴いていてください」
といわれたものの、そうずうずうしくするわけにも行かずに、
暫くして辞去したのであった^^;

ヴァイオリン製作者の菊田氏のブログがあった。
前回の模様である。
 
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