WOOD JOB! 神去なあなあ日常

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WOOD JOB! 神去なあなあ日常
監督・脚本:矢口史靖

先日、NHK第一「すっぴん!」に矢口史靖(やぐちしのぶ)監督がゲストで登場した。
あいにくこの日は途中から聞き始めたので、映画監督がゲストらしいことしか分からなかった。
インタビューの終わりの方でようやく名前がわかって、ああそうだ、
題名忘れたけど、最近封切りしたはずだから見に行かなきゃと思った。
インタビュー最後の辺りで、なんとかの映画のオーディションで長澤まさみを落としたといった話をしていた。
なんだったか、「スウィングガールズ」だったと思ったけれど。
 
矢口監督はアルタミラピクチャーズと組んで
今回は制作委員会形式で制作している。
 
原作「神去なあなあ日常」はまったく知らないし、
映画の内容も、先日のラジオインタビューで林業をモチーフにしているらしいことしか分からないまま見た。

都会育ちの軟弱青年が、山奥の林業会社でしごかれてたくましくなる映画だとは、
インタビューから想像されたけれど、プロローグでどうなることやらと思わせた。
軟弱青年を惹きつけたパンフレットの美女が長澤まさみだった。
 
その長澤まさみがトレールバイクを巧みに操って、木の枝が敷き詰まった林道を疾走する!
俳優の吹き替えの嫌いな監督は、長澤まさみにライディング練習をさせて
撮影に臨ませた。
先日来、似たような林道をバイクの型式が違えど走ってきた自分を思い返して、
役者は凄いもんだ、と感動して見ていた。
 
林業の現場は生半可な気持ちでいると危険な目にあう硬派なところである。
雨降りの中、斜面を滑り落ちた主人公を捨て置く脚本に身構えた。
チェーンソーの実習場面はすごいカメラワークで、
NG場面ギリギリの危険なショットではないかと思わせた。
 
林業の高所作業に付き合うカメラは、登山映像に付き合うカメラ同様に
プロフェッショナル魂を覚えた。
 
クライマックスは48年ごとに催される神事というか、奇祭。
ふんどし一丁の男たちが巨大な御神木を切り倒し、崖の上からレールの上を滑り落として
OOOにぶっ込む!!
極力CGを使わなかったという、ちょっと基地外沙汰の映像。
どないして撮ったのだろうか?

 

脱力場面と緊張場面がうまくミックスされて
林業の営みが語られている。
 
そこに巨木があるだけで画面が引き締まり、悠久の時間に圧倒される。
その悠久の時間が育てた巨木を切り倒して生活が成り立ち、
ふたたび植林をして後世に引き継ぐ。

そこに一人の美女がいれば五穀豊穣子孫繁栄まちがいなし^^;
お説教を垂れない、清清しい作品だった。