CEC 倒産

ネットをさまよっていたら
CECの倒産を知った。

昔は手広く電気製品を扱ってたが、近年はベルトドライブCDプレーヤーで気を吐いていた。
私は聴いた事がないし、何といってもデザインが好みとはまったく違っていた。
最終製品と言っていいアナログプレーヤーST930は聞いて見たかった。
本体のあの凡庸なデザインに、不思議に凝ったデザインのダストカバー。
トーンアームの薀蓄は、それがどうした!っていう説明。

褒めるとすれば、
その駆動モーターシステム一式が、SMEのプレーヤーシステムにそっくり載せられた。
SMEの見る目というか、確かさは賞賛に値する。

今日始めて、社長のコラムを読んだ。
ST930を発売した当時、

「足元にも及ばないと自覚せざるを得ないレコードプレーヤーが2モデルあることが判りました。」

そのプレーヤーとは、ゴールドムンドとベイシスだったそうな。

その後、これを凌駕せんと作り上げたシステムが、
FR-XL1
だったという。
これはステレオサウンドに(特に菅野沖彦氏に)酷評された。
音はとにかく、こんなもんを部屋に置きたくないという言われ方だったと思う。
私もまったく同感で、
日本のアナログプレーヤー史上、最悪デザインだと思う。
社長は「海外では高価取引されている」と自画自賛しているが、
デザイン無視で音だけで判断する人は、何処にも居るし、
人口が多い海外では、日本より評価する人の絶対数は多いのは当たり前だと思う。

CECがウィーンアコースティックのスピーカーを輸入を始めた頃は
ホームページをしょっちゅう見ていた。
中世風デザインの鋳物製スピーカースタンドが気になっていた。

近年、アナログプレーヤーが復活しているので、CECの時代が再来していると思っていた。
ところが24年で業務は終わっていたらしい。
一時、ハードオフで独特のつまみデザインのアンプを良く見た。
DACも良く見た。

時流に乗るということが、いかに困難なことかと思う。