BMW R75/5 with Watsonian
県道から378号線に合流する喜木津トンネルの手前で車が途切れるのを待っていた。
日曜日なので、なかなか途切れない。
瞽女トンネルから次々出てきた車は目の前を通り、喜木津トンネルに入っていく。
カー側にもライトを点けている。
サイドカーが通り過ぎて大分経って漸くクルマは途切れた。
夢永(むえ)の下り坂でバイクを止める。
切り通しで国道バイパスが出来たので、放置された旧道というか脇道を見たかったのだ。
まだ切り通しが出来る前に何度も通ったことがある。CB350FOUR時代だったか・・・。
かれこれ十年ほど前、ここでバイク事故があった。
下り右カーブをオーバースピードで下ったらしい。
道路に血痕が残っていた。
バイクの残骸が置いてあったかは忘れた。
黄色のプラスチックフェンスのある辺りだ。
脇道を通ってみたいと思いながら、やがて、通行止めガードレールが設置され、雑木が茂りほうだいになった。
恐る恐る、入ってみると、落ち葉でいっぱいになっていた。
これ以上は進めない。
樹木が電線に掛からないようにするため、時には伐採しているのだろうか?
管理用道路になるわけで、このまま放置と言うわけにはいかないだろう。
ここは夢永岬の魚付き林になっていてるようだが、この旧道急カーブは、いろいろ事故があったらしい。
切り通しでバイク事故があったとき、地元の人に事故当時のことを聞いたことがある。その時、旧道の事故のことも話してくれたような・・・・、いま書きながら思い出したが、記憶はあやふやだ・・・。
缶コーヒーを手に、近づいて話してみた。
カーはワトソニアンである。
車両はピカピカだった。
ナンバーが愛媛県だったので聞いてみると松山の人だった。
まだ40代の若いと言うか青年である。
車両は予想通り、バイクハウスアベで整備しているそうだ。
R75/5は一度は乗ってみたいと思っている一番BMWらしいバイクである。
アールズフォークにしていない単車のままなのがいいと思う。
ベンチに腰掛けて、小一時間ほどおしゃべりした。
しっかり手順を踏んでエンジンをかけると、整備が行き届いているらしくほとんどメカノイズがしない。
心地よい排気音だけがする。
なかなかクルマが途切れないので、慎重に流れを読む。
またいつか どこかで と言う挨拶で走り去った。