FAIRCHILD 412

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私がオーディオに興味を持ったころ、海外製のプレーヤーで気になるものが色々あった。
エンパイア、ガラード、トーレンス、ジョボ、etc....
その中に、フェアチャイルドがあった。
フェアチャイルドは、半導体メーカーであったし、航空機産業にも関係していた。
もともとは軍需産業だったらしい・・・。

そんなフェアチャイルドが、どういう経緯でオーディオに関わったか、良く分からない。
フェアチャイルドという言葉の響きだけで、なんとなく気になるメーカーだった。

そのフェアチャイルドのプレーヤーシステムがヤフオクに出た。
それは、412ターンテーブルとグラドのアームの組み合わせだった。
上の写真とは違うけど・・・。
その製品説明文におおいに惹きつけられて、なんだか凄いプレーヤーと思わされた。

FAIRCHILD&GRADO LABS 60Hz用 このずば抜けた音質にはEMTもGarrardもThorensも かなうまい!
もはや次元が違う想像を絶する世界である!

凄いコピーである!
長々と書かれた出品題名!

説明文も自信にあふれたもので、トーレンスTD124を賞賛するグレイの文章に匹敵するというか、
それ以上の破壊力がある。
どうやったら、こんな文章が書けるのだろう。
唸ってしまった!

以下、その説明文のコピペ。
*****
ずば抜けた音質の根拠》

1.  次元が違う別世界の音
『音楽の歓びや哀しみ 心を熱くする感動の世界』  
そして『聴き手を楽しませ あるときは感動の涙を誘う』そういうプレーヤー・システムでなければならない
聴き手を感動させる能力や力を「感動力」というが 
このFairchildは感動力が如何なるプレーヤーよりも格段に優れている
EMTもGarrardもThorensも 如何せんこの「感動力」に問題がある
いずれも使っていたことがあるから分かるのである
特にEMT930とGarrard301は「感動力」に劣っているため聴くに耐えない
いい音はするがいい音楽はしない
唱わないのである
そのため聴いていても面白くも何ともない つまらない音である
音のあら捜しをするモニターという仕事には向いている
当たり前である
あら捜し用に造られているからだ
単に音がよいだけのプレーヤーはいらない
音楽が欲しいのである
例えると分かりやすい
1982年当時大流行していたJBL4343(38cm 4way 120万円した)を使用していたが
まったく反応の鈍い聴くに耐えないひどいスピーカーであった
なぜなら 
「感動力」が欠如していたからである
JBL4343は始めから音楽を捨てていたのである
EMT930はJBL4343と同じく最初から音楽を捨てている
なぜなら
あら捜しのモニターという仕事に音楽は不要なのである
音楽よりテクニカル・データや正確な音の再現が最重要事項なのである
第一「感動力」のことなどを考えて造られていない
Garrard301はBBC 放送技術規格に合わせることを優先したため音楽を見捨てたのである
いくら聴いても「感動力」が感じられないのは当たり前である
そういうことを考えると これらのプレーヤーは一般家庭で音楽を楽しく聴くのには
まったく不向きなのは誰にでも理解できるはずだ
よく考えてほしい
レコードプレーヤーによって好きな音楽を聴くのであって 音を聴く訳ではない
よって 単に音がよいだけの音楽を捨てたプレーヤーはいらない
本当に『音楽芸術の深い感動の世界』を楽しみたいのなら
音楽を捨てたEMTやGarrardやThorensは決して使ってはいけない
これらはプレーヤーではなく何とも訳の分からない「高価な玩具」であるからだ
『人気機種が決して優れている訳ではない!』ことも付け加えておく
これが高い授業料を払って得た教訓である

2.  2重ベルト方式
ターンテーブルを駆動するベルトは2本である
1本はモーターとフリーのプーリー間にかかっている
もう1本は同軸上のもう一つのフリーのプーリーとターンテーブル間にかかっている
これにより格段にS/Nがよくなり静粛感がある音となる
アイドラーよりはるかに優れた方式である
この静かな音が情報量の多さとなり 音楽の「感動力」につながっていくのである

3.  ドイツ製品をしのぐ高い精密機械の加工精度
ターンテーブルスピンドル(シャフト)及びハウジングはEMTをしのぐ高い精密機械の加工精度である
なぜなら
Fairchildの高精度のターンテーブル回転負荷機能の製作は高い加工精度がなければ不可能である
当時 ドイツ製品をしのぐ異例の精密さである

アルミ鋳造  3.5Kg(EMT930は3.9Kg)  
外側部分が重い重量配分により慣性モーメントが極めて大きく安定性が高い
アルミのリンギング(共鳴)も抑えている

5.  ターンテーブル回転負荷機能
これはターンテーブルの回転に適度の負荷をかけ 回転を滑らかにし安定させる機能である
ターンテーブルスピンドルとハウジングの摩擦抵抗を負荷とし機能させるものである
精密機械加工の高い技術と有名なスカリー旋盤の精度がなければできなかったことである
EMTは原始的なフエルトによる加圧式である
GarrardやThorensにはこの機能はない
コストが高くつくからだ

6.  モーター
静かでトルクのある西ドイツ製の精密級大型モーターが採用されているため
ターンテーブルの起動トルクも高い
非常に正確にバランスのとれたヒステリシス同期モーターにより
ライン電圧や負荷変動による速度変動は極めて少ない
このことにより回転数の調整機能はありません
この優秀な高トルク大型モーターにより始めて回転負荷機能が可能となったのである
結果的に音楽芸術の表現に必要なPASSION(激情)やエネルギーの爆発が可能となり
他のプレーヤーでは決して得られないより深い感動の世界が出現するのである

7.  GRADO LABS 木製トーン・アーム
この木製アームを使って始めて分かる重大なことがある
それはパイプ・アームとの音の違いがあまりにも大きいことである
パイプ・アームはすべてバケツの底をたたいたような薄っぺらく甲高い音がする
こんな安っぽい音で好きな音楽を聴くのはまっぴらごめんである
パイプ固有の共振が足を引っ張るのである
この違いは木製アームを使わない限り分からないであろう
例えると分かりやすい
すぐ見えるところに旨いものがあるにもかかわらず  せっせと まずいものを喰い続けているのである
旨いものを喰ったことがないから分からのだ
『見えども見えず!』  お気の毒というほかはない
これまでEMT  ORTOFON  DECCA のパイプ・アームを使ってきたから
パイプ・アームの如何ともしがたい音質の欠点と木製アームの桁外れのよさがよく分かるのである

8.  オリジナル・キャビネット
これは抜群の音質を決める極めて重要な要素である
キャビネットを積層合板等で自作や販売店が製作したもので音質がよいものは断じて一つもない
長年キャビネット及びスピーカー・エンクロージャーを多数製作してきたから分かるのである
オリジナルをしのぐ よいものは決して出来るものではない
なぜなら
メーカー製のオリジナルはあらゆる研究と開発と試作を繰り返して製品化している
それを素人の自作や素人同然の販売店が製作するとは まったく無謀そのものである
こういうことが分かってからキャビネットの製作はしないことにしている
音質がオリジナルに近いもの あるいは同等のグレードのものの製作は不可能であることを知るべきである
これも例えると分かりやすい
横綱にど素人が向かっていくようなものであり  結果は火を見るよりも明らかだ  

音質:
□   クリアーで美しく静けさを感じる
□   クライマックスではPASSION(激情)やエネルギーが爆発する 
      爆発しないプレーヤーから本物の音楽芸術の再生など不可能といってもいい
□   音の輪郭や音程も明瞭に聴き取れる
□   微細なニュアンスや倍音の伸びなどの微弱信号を楽々再生できる
□   高い解像度により圧倒的超リアリティーの生々しい真実音である
□   音楽の歓びや哀しみ 心を熱くする音楽表現力が抜群に優れている
□   この盤はどう鳴るだろう あの盤はどうだろうと次々聴きたくなる
□   深い感動の世界で時を忘れて朝まで聴いてしまい  あゝ 気がつくと窓が明るくなっている
□   好きな音楽が感動を持って聴ける幸せと生きていることの歓びを噛みしめる
□   ヴォーカルは目の前で自分のために唱ってくれているようで手を伸ばすと届きそうな感じさえする
□   情感豊かに「過ぎ去りし日の追憶が甦る」かのような表現力が心に染み入る
そういう音である

しかしながら
いくらプレーヤーが優れていてもカートリッジもアンプもスピーカーも優秀でなければ
どうしようもない ことは言うまでもない

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割とまとまっていると言うか、突っ込みどころはあるが、破綻の無い文章だ。
自信を持って、こういう文章が書けたらなあ、と思ったのである。

EMTとトーレンスを蹴飛ばす爽快感・・・なのだろうか^^;)


トップボードの風景がいいのである。
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私のプレーヤーと似たところがあるし。
いや、似て非なるものの見本かも^^;)。
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