アクロス重信 閉館

2月1日 社会面


 
別れ惜しむ利用者続々
アクロス重信閉館 再開願う声相次ぐ
 
 「踏ん切りほつかない」「いつかまた滑りたい」。
関西以西で唯一の屋内ゲレンデ施設、アクロス重信が31日、閉館したのに伴い、
温暖な愛媛県青野令選手(21)松山大ら世果的に活躍する選手
を育てた施設の幕切れに、利用者から再開を願う声が相次いだ。
 
 無料開放された営業最終日、タ方から特に別れを惜しむスノーボ
ーダーらが増えた。ハーフパイプ競技に打ち込む選手たちは、複雑
な思いでこの日を迎えた。松山大1年の納庄訓平さん(19)兵庫県出身は
東温市内に移り住んでもうすぐ4年。1週間前の練習で右肩を故障しているが、
「アクロスがなければここまで成長しなかった。ありがとうと今は言いたい」
とゲレンデに向かった。
 
 重信スノーボードスポーツ少年団の菊池泰成君(10)拝志小4年は「なく
なるごとは悲しい。また滑りたいので、復活してほしい」と願っていた。
 
 施設は交流の場でもあった。約5年前に知りあった松山市松末2丁目の
主婦小松彩さん(31)と、東温市牛渕の主婦柳朝子さん(33)は
互いの息子を連れて訪問。最盛期に年間200回は通ったといい、
岡山出身の柳さんは「とても寂しい」とガラス越しのゲレンデを見つめた。
 
 客足は営業終了まで衰えなかった。開館当初から勤める新谷真成さん(39)も
「きょうは同窓会のよう。時間がたつのが早い。たくさんの人が来てくれてありがたい」。
 
 最終日も子どもらが存続に向け次々と署名を行った。青野選手の父、伸之
さん(42)は「このにぎわいを見ると余計もっだいない気持ちになる」と

心境を明かした。