偽りのダイナミックバランスアーム

イメージ 1リンソンデックLP12やオラクルデルフィのようなソフトサスペンション・プレーヤーには、たとえばエミネント・テクノロジーのリニアトラッキング・アームを搭載すると、アームの重心移動に伴ってサスペンションが反応し、水平であるべきシャーシが傾いてしまう欠点がある。
 
スタチック・バランスアームでも、重心移動が起こり、わずかだがシャーシの水平が保たれない。
 
唯一つ、ダイナミックバランスアームだけが重心移動が起こらないので、ソフトサスペンション・プレーヤーには適したアームといえる。
イメージ 2
 
ダイナミックバランスアームは、プレーヤーを裏返しても演奏できると、アームの解説に書かれたりするが、半分嘘である。
 
左の写真は、ゼロバランスを取ったアームを、そっくり裏返してみた写真である。
 
上の写真と同じく水平であるはずのアームが、この体たらくだ。
 
スタチックバランスアームでも、裏返して演奏できる。
どうするか、針圧をマイナスにすれば良いのである。


このFR64はいったいどうしたのだろう!!!??
その理由がパッと頭に浮かばない。
 
真正なダイナミックバランスアームは、可動部の重心が回転軸に一致していなければならない。
写真のアームでは、シェル(カートリッジを含む)が、重心位置を乱している。
アームパイプ中心線より上側に質量が偏っている。
見かけでは、アームの重心は上下回転軸より上に位置するように見える。
しかし、それが下の写真のように裏返すとバランスが取れなくなる原因だろうか?
 
とにかく、
FR64シリーズは、真正ダイナミックバランスアームとはいえないようだ。