続 ソローキンの見た桜

二回目を見た。

冒頭のロシア人墓地の清掃シーン。
私にとってはありえない演出で、実際は如何なのかをこの目で確かめたい。
二度目なので、初回よりはインパクトは無かったが、
やはり気になる。
加戸さんにも、ここんとこを訊いてみたい。

ロシア兵士が脱走するのは本当だろうか。
当時の日本にレジスタンスが居たのだろうか。
支援組織も無いのに、居心地のいい収容所を脱走する理由が見つからない。
劇場版の「誓いのコイン」は、それが顕著だった。
当映画版は、ソローキンの脱走に附いては一応理由づけがある。
脱走を助ける偽令状の発行は、力わざというか、説得力のある演出が必須だけど、
あれでいいいのだろうか?
シン・ゴジラ」でのフランス政府を説得した総理大臣があれだったので許されるのだろうか^^;)。

映画「沈黙」、いや、その前の「ラストサムライ」から日本人俳優の英語力が必須となった。
今回のヒロインの英語も大変だったことだろうが、
流暢過ぎてうそ臭くなる寸前というか、上手すぎて唖然とする。

健康を害したロシア兵に丸薬を飲ませる。
正露丸」と字幕が出る。
どういう意味だとロシア兵が訊くと「ロシアを正しくする薬だ」と看護婦が説明する。
ここはやっぱり「征露丸」と書いて、ロシア兵を驚かすほうが良かったと思うぞ!!
イッセー尾形署長が通訳軍人に対して「ダー云うな!」というより笑いを取ったはずだ。

混血児の悲哀が少し出てくる。
日本人初の女医、楠本イネを少し思い出した。
原案者、原作者、監督、脚本家は認識していただろうか。

誓いのコインの主人公が本編主人公のすぐ傍にいる。
「誓いのコイン」と「ソローキンの見た桜」の成立時刻というか、
劇化(小説化)競争があったかもしれない。

伏線が繋がっていく終盤は気持ちが締め付けられて震えた。

音声とカメラ(特にピント)の瑕疵が無ければ、一層物語りにのめり込めたのに
残念でならない。

最低、後一回は見たい。



ちょと、訂正。

南海放送のラジオドラマ「松山ロシア人捕虜収容所外伝 ソローキンの見た桜」は、2004年制作だった。
松山城二の丸史跡公園整備工事の際にロシア金貨(現在貨幣価値30万円)が見つかったのは、
2010年のことだ。
坊っちゃん劇場「誓いのコイン」上演は2011年。