イーハトーヴ（岩手県）で右往左往 その３
第４部 記念行事 「イーハトーヴ交響曲」演奏開演前の休憩時間に席を移動した。
９－４４付近だったのを、１１－１３付近に替えた。
ステージに対して右側から左側にした。
まえから７列目の左寄りだ。
今まで、右寄りから聞いてきたので、変えてみたのである。
ステージ後方上段にデラッドボードが現れた。
楽員の椅子が並べられて、暫くするとコーラス団が入場。
拍手で迎えた。
楽員が揃ったところで、冨田さんが下手から現れた。
なんと！ 車椅子に座って出てきたのだった！
自宅で転んだという情報は知っていたが、まさかのご様子で驚いた。
真っ暗な部屋で転んで打撲したらしい。合唱指揮の太田代さんが冨田さんにお話を伺った。
「体調を考えて１０分程度と言われていますが１５分くらいお話しましょう」なんてぇ事をおっしゃる＾＾）。
冨田さんは、話したいことがいっぱいあるご様子だが、なかなか言葉になりにくい・・・・。
トーク予定時間をオーバーしてしまった。
合唱団は県内の１６校児童生徒とイーハトーヴシンガーズの計１８０名。
高校生が加わることによって、今までとは違うコーラスが聴けるだろうと太田代さんはおっしゃった。
冨田さんが舞台袖に消えてもなかなか演奏が始まらない。どうして！？ と思っていたら、冨田さんは客席に車椅子を回して、私の２列前に座られたではないか！
指揮者は、冨田さんがスタンバイするのを待っていたのである。
演奏 いわてフィルハーモニー指揮 寺崎 巌
合唱指揮 太田代 将孝
小中学生のコーラスで第一楽章が始まった。
一楽章から殆ど間をおかず梯さんのパーカッションで第二楽章へ。
第三楽章でミクさん登場。今までに無い鮮やかなお姿＾＾）。スクリーンを突き抜けてホール天井でもミクさんが乱舞していた！
ミクさんはセガミクだったが、ＬＤと違う感じがした。最近、視力の衰えが進んで老眼＋乱視なので確実なことはいえない。
いよいよ第五楽章。
ピアノはたぶん高橋ドレミさんで、列車の走行リズムを軽やかに演奏している。チェロとコントラバスのドラフト音が少し弱いかなあ・・・。
舞台側面には、投影機で木漏れ日のような文様が写されて雰囲気を盛り上げる。
今回の演奏で、今までとまったく違ったのが、「カンパネルラ」と「ジョバンニ」の呼び交わす声だった。今までは「カンパネルラ～～」「ジョバンニ～～」と語尾を伸ばしたと思うが、今回は「カンパネルラッ！」「ジョバンニッ！」と明確に語尾を切ったのである。指揮者もそう振っていた。
最初の「カンパネルラッ！」でハッとして「オオ～！」と心の中で叫んだ。
終演後、ロビーに居た合唱団と思しき女生徒を捕まえて訊いてみた。明確な答えは無かった。こちらの質問の意味が分からなかったのかもしれない。引率の女性は「そういえばそうでしたね」とおっしゃった。
外に出て、信号待ちをしていると件の女生徒引率者が「どういう意味があったのだろうね」という話し声が聞えた。
第六楽章雨にも負けずは、高校生参加の効果は良く分らなかった。大阪の演奏会の記憶が印象的だったので、あれを超えるのは中々難しいのではないかと思った。
第７楽章 ミクが対旋律を歌って、静かに曲が閉じられた。
我慢できない聴衆が拍手を始めたが一旦収まり、そして大きな拍手が起こった。
記念演奏だったので、残念ながらアンコールは無かった。
演奏者への拍手で、ミクさんはスクリーンに現れて挨拶。
指揮者が手振りで客席の冨田さんを称えた。
冨田さんはすっくと立ち上がり、フロアに下りてきた指揮者に近づき握手をした。
「冨田さん、大丈夫だ！」と思った。
楽員楽団がステージから下がった。
主催者や来賓関係者が冨田さんと目の前で握手している！！
今を逃がせば、一生後悔する。
来賓の隙を衝いて冨田さんと握手を敢行した！
「愛媛から来ました！」
冨田さんは「おお～」と答えてくださった。
胸が熱くなった。
アイドルにキャーキャーいう子女の気持ちが解った＾＾）
冨田さんの手は温かく柔らかだった。巨匠に直に触れるとこんな気持ちになれるのか。
盛岡に来た甲斐があった。
県民会館を出ると雨だった。
帰り道、ニートレコーズに寄ってみた。
盛岡は意外に中古レコード店が多い。
続いてアクション・タイム・ヴィジョンに行った。
そこにはなんと！「バミューダトライアングル」があった。荷物になるけど、買わねばなるまい＾＾；
店主はまだ若い。今日の話をすると、演奏会があるとは知らなかったらしい。
店の下にあったイタ飯屋で夕飯。
その後、フォーラム盛岡のディスクポート盛岡に行く。
「仙台フィルのＣＤはありませんか？」と訊いたら苦笑いしていた。
盛岡駅前のＲ＆Ｂホテル盛岡に投宿。
熱い一日が終わった。
