謎のリニアーオフセット

イメージ 1http://www7a.biglobe.ne.jp/~yosh/sme3009imp.htm
 
Original 3009,3009II,3009II impの設計は基本的には共通だが 3009II impの後期型(S/N が439606以降のもの)から新設計に変更。即ちLinear Offsetが88.873mm(EP&LP共用のStevenson type)から93.5mm(LP専用のBaerwald type)になった。Linear OffsetというのはSMEが採用しているアーム設計法でオフセット角に換算すると実効長231.2mmとした場合 前期型3009IIimpはsin-1(88.873/231.2) で22.6度。 後期型3009IIimpはsin-1(93.5/231.2) で23.8度。 通常の設計ではアームの長さが変わるとこの角度も変わるが Linear offsetで設計した場合その数値(mm)自体は変えなくてよいという利点があります。 Alignment protractorはLinear Offset数値が同じであればアームの実効長が変わっても共通にできる。だから新設計(Linear offset 約93.5mm)の3009R/3010R/3012R/3009III(CA1b付き)/3009IIIS/後期型3009IIimpは同じalignment protractor(#2295) が使えるようです。Linear Offsetの数値は2つの0ポイントの中点(平均)に当たります。例えばLinear Offsetが90mmならNULL Pointは: 90mm±αになります。つまり90mmの1点だけか、2点以上は80/100、70/110、60/120、55/125等の2点設定になるだけです。

上の文章は、論が素通りしているので、理解不能である。
ひとつづつ、紐解いてみたい。

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Original 3009,3009II,3009II impの設計は基本的には共通だが 3009II impの後期型(S/N が439606以降のもの)から新設計に変更。即ちLinear Offsetが88.873mm(EP&LP共用のStevenson type)から93.5mm(LP専用のBaerwald type)になった。
 
ここは、EP盤の最内周がLP盤のそれより半径が大きいので、また、外周がLP盤のそれより小さいので、設計の前提条件が違ってくる、ということですね。
 
Linear OffsetというのはSMEが採用しているアーム設計法でオフセット角に換算すると実効長231.2mmとした場合 前期型3009IIimpはsin-1(88.873/231.2) で22.6度。 後期型3009IIimpはsin-1(93.5/231.2) で23.8度。
 
ここで突然にLinear Offsetという単語が説明無く出てきます。
実効長とは、アームのピヴォットから針先までの長さです。
カートリッジのオフセット角は、前期型で22.6度
後期型のオフセット角は、23.8度になっているそうです。
                          LP専用になって、角度が大きくなったってことです。
 
 
 通常の設計ではアームの長さが変わるとこの角度も変わるが Linear offsetで設計した場合その数値(mm)自体は変えなくてよいという利点があります。 
 
この説明は、まったく不適切です。
通常の設計ではアームの長さが変わるとオフセット角も変わるというなら、
通常の設計ではないSMEは、オフセット角は変わらないというべきでしょうが、
なぜか、それには触れないで、
その数値(mm)自体は変えなくて良いそうです。
??????
その数値(mm)とは、実効長さ(231.2mm)のことでしょう。
同じ長さなのまま角度を変えるのは、トラキングエラーがゼロに成る地点を変更する必要があるからです。
EP盤も設計条件に置いていた旧設計を、LP盤だけの新設計にする。
つまり、トラッキングエラーゼロ地点を変更する。
変更することはすなわち、角度を変えることなんです。
これは「利点」という言葉でいうわけにはいきませんね。
Linear offsetで設計したから変えなくて良いのではないのです。
 
 
Alignment protractorはLinear Offset数値が同じであれば
アームの実効長が変わっても共通にできる
 
言い換えれば、実効長さが違うアームにおいて、
レコード盤上の二箇所の地点でトラッキングエラーがゼロになるようにそれぞれオフセット角を決めると、
二つのアームのLinear Offset は同じになる、ということ。
ホントかな?
 
 
だから新設計(Linear offset 約93.5mm)の3009R/3010R/3012R/3009III(CA1b付き)/3009IIIS
/後期型3009IIimpは同じalignment protractor(#2295) が使えるようです。
 
へ~~~!
 
 
Linear Offsetの数値は2つの0ポイントの中点(平均)に当たります。
例えばLinear Offsetが90mmならNULL Pointは: 90mm±αになります。
つまり90mmの1点だけか、2点以上は80/100、70/110、60/120、55/125等の2点設定になるだけです。
 
この説明も分からない。
先ず、NULL Pointとは、トラッキングエラーがゼロになる地点の半径でしょうね。
これは、そう認識してもいい、正しい認識でしょうね。
ところが、
「Linear Offsetが90mmならNULL Pointは: 90mm±αになります」
「つまり90mmの1点だけかNULL Point」
だそうです。
ここは強引極まりない決め付けです。
「±α」がわからない。後半を読むと多分、
α=|90mm(定数)-90mm(LinearOffset)|
絶対値ですね。
なんで90mmという定数が突然出てくるんだ!!
 
α=90-90=0
NULL Point=90±0=90
だから一箇所。
 
Linear Offset=93.47 ならば(SME・Vの値である)
NULL Point=90+(93.47-90)=93.47
NULL Point=90-(93.47-90)=86.53
 
ラッキングエラー・ゼロ地点(NULL Point)は、半径93.47mm地点と半径86.53mm地点となる。
おかしい!こんな筈はない。
間違っている。
 
何処が如何間違ったのか!!??

ただ今
間違いを考察中

リニアーオフセットを90mmに設定して設計したアームは、
実効長とオフセットアングルを適当に決めて設計すれば、
NULL Pointを半径90mmの一箇所か、
または、
(80mmと100mm)
(70mmと110mm)
(65mmと115mm)
てな具合に、二箇所でNULL Point にすることが出来る。
 
ということなのかな?
そうだとする!!
しようではないか!!
 
すると、SME・Vのリニアーオフセット:93.47mm は、それがどうしたってんだい!!
 
オフセットアングルを適当に変えれば、実効長:233.15mmのこのアームの、
NULL Point は、半径93.47mmの前後、同じ長さを足し引きした位置に設定できる。
逆にいえば、
足し引きした位置が、レコード盤の程好い位置になるように
内周からどれくらいのところでゼロにするか、
外周からどれくらいの位置でゼロにするか。
93.47mmを基本に検討する。
 
実効長と二箇所のゼロ地点とオフセットアングルを決定すれば、
おのずとアームの設置距離が決定される、
と言う寸法なのだろう。
 
設計する側には大事なリニアーオフセットだけれども、
使う側、設置する側には、無関係の数値と言わざるを得ない。
 
そう思うが、間違っているだろうか?