冨田勲:ドクター・コッペリウス @オーチャードホール 後半

イメージ 120分の休憩後、今日の本番。
 
ミクさんのディラッドボードは取り払われ、その下側の
45度傾斜面にあった黒布の下から透明アクリルボード(?)が現れた。
 
ステージ上方にあった、キューブ枠も若干下に下がっていた。
 
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子供たちの後ろ側にあった黒幕が取り払われて
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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逆台形のスクリーン(?)というか、ミクさんが踊る部屋と我々の生きる実在空間を隔てる透明版のようなものが設置されていた・・・のであった。
 
私の席からは、ミクさん、男性ダンサーのひざから下は窺えなかった。
 
ミクさんは、おぼろげにしか見えない。
 
ことぶき光氏は、悔しかっただろうな。
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三菱電機が開発した、空間に映像を浮かばせる技術。
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第0楽章 飛翔する生命体 Flighting Biota
地球からひとつの生命体が宇宙空間へと飛翔していく。それは、地球上の人間にとって聴取不可能な宇宙の音にあわせて舞い踊り、やがて果てへと消えて見えなくなっていった。
 
第1楽章 欠番
第2楽章 欠番
 
第3楽章 宇宙へ Into space
ミクの不思議な霊力によって宇宙空間に飛び出したコッペリウスは、月のさらなる遠くへと誘われる。そこへ、月に帰ったはずの小江が手下を引き連れて現れ、ミクを連れ戻そうとする。
 
第4楽章 惑星イトカワにて Landing on the asteroid 25143 Itokawa
イメージ 9ロケット研究で挫折を繰り返していたコッペリウスは、身体に纏わりつく重力を克服するため、バレエを習い始めていた。惑星イトカワにたどり着いたコッペリウスは、ミクに促されるまま、重力に支配された無意識の枷を外し、自然と舞い始める。
 
第5楽章 嘆きの歌 Song of Lamentation
デュエットに興じる二人の目の前に現れた小江。
ミクは抵抗するも、小江はミクを連れて帰ってしまう。
泣き叫ぶミクにコッペリウスは手を差し伸べるが、届くことは無かった。
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第6楽章 時の終わり The end of Time
ミクを失い悲しみにくれるコッペリウスは、孤独に苛まれながらもそれに打ち克つようにトランペットを吹き始める。その音色が作る空間は、宇宙に向かって次第に膨張していくと共に、コッペリウスの愛は、あまねく「愛」すべての讃歌へと変容していく。
 
第7楽章 日の出 Rising Planet 9
いつのまにか惑星探査機はやぶさと一体化したコッペリウスは、惑星イトカワからプラネット9に向かって旅立つ。生々しい地表には月に還ったはずのミクの姿が。コッペリウスはミクと共鳴しながら、プラネット9へイメージ 11と向かった。コッペリウスはもはや孤独ではない。これは希望に向かっての旅立ちなのだ。
 
登場人物
 
ドクター・コッペリウス
ロケット開発者として宇宙に行くことを夢見ている。
開発に行き詰った夜、ミクと出会う。
 
小江(おえ)
イメージ 12天女。月の裏側・ラグランジュポイントから美穂の松原に降り立つ。羽衣を隠され、月に帰れなくなり、伊賀刀美(いかとみ)との間にミクを身籠る。
 
ミク
小江の娘。歌と踊りが大好きで、不思議な能力を持つ。
 
ラグランジュの子供たち
小江の故郷・ラグランジュポイントに棲む子供たち。
 
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これらのプロットは一切読まずに鑑賞した。
 
第0楽章は、残された者たちが冨田の音をかき集めて作った楽章だ。これはなんとなく知っていた。
 
バレエそのものはあまり印象には残ってない。
見る位置が悪かったからかもしれない。
男性ダンサー(コッペリウス)は、正しくクラシックバレエの出で立ちだったが、如何せん、ヘアスタイルが全く持って感心しなかった。アフロヘアの出来損ないにしか見えなかった。
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ラグランジュの子供たちは、バレエ教室の選抜だろうが、背の高さをそろえて欲しかったな。
 
メロディーにハンス・ジマーを思わせる旋律を聴いてあっと思った。
 
終楽章は「題名のない音楽会」で知っていたので、シンセサイザーの音が鳴り始めて「もう終楽章なのか!」と思った。 クロック音まで長かった。
 
 

拡声器からの音は、第一部ほどにはウルサク感じなかった。
多分、全く知らない初体験の音楽だからだろう。
 
CPU冷却ファンの音が始終聞えていた。

ホログラフィーと一緒に踊りたい
 
糸川英夫の遺言に応えられたかどうか。
 
これが21世紀初頭の答えである。
 
完成は23世紀のホロデッキの出現まで待たねばならないのか。
 
「スペース・バレエ・シンフォニー」と銘打っているが、
「スペース・バレエ」だけにして、オーケストラはピットに入るべきだろう。
 
舞台は背景とコールドバレエを3D映像にして、
コッペリウス、ミク、小江、ラグランジュの子供たちを生身のダンサーにして
クラシックバレエとしての上演の方が、
安定感有る舞台になるだろう。
ホログラフィーに拘らずに再構成してもらいたい。
冨田さんのミク愛はそれで十分伝わると思う。
 
1階7列目29番座席からの感想である。
 
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